2019年10月13日日曜日

2019年度 上半期を振り返る

時の流れは早いですね。
いつの間にか2019年度も上半期が終わってしまいました。
2019年度上半期の地理イベントを振り返ってみたいと思います。



4/6(土) 三崎巡検

地学と中世城郭メインの巡検でした。
地学の教養が無い人間なのですが、大昔の海底で起きた地層の現象にうっとり。
地学の聖地とも言うべき城ヶ島で楽しい1日でした。
三崎巡検での下調べをもとに作ったブログ記事→『三崎のマグロ

4/13(土) 江の島巡検

江の島をお散歩感覚で巡検。
三崎巡検に続いて露頭を見たり、断層を見たり、楽しい1日でした。

4/20(土) 地図講演会&ハイブリッド巡検

地形図の変遷についての講演会(@つくば)を聞いてから、中野区方南町でのミニ巡検に参加。

講演会では、時代時代により地形図の整備の方法や、主題図の作成など、地形図も移り変わっていることを学びました。
地形図って、明治時代以降、変わらない地図というイメージがあったけれども、話を聞いてみると奥が深い…。

方南町での巡検は、巡検と言うよりは「街の発見」を主題とした企画でした。
ナビゲーターがストーリーに沿って、地域を紹介していく巡検に対して、参加者が1時間程度で自由に街を歩いて、自由に街の魅力を発見して、最後に参加者同士で共有しようという企画。
方南町は、元気な商店街があり、水害対策の様子が見て取れる。一方で、木造密集地であるが、水害に気を取られすぎて、木造密集地の防災対策が急がれるのではと思いました。

5/18~19 東北地理学会 春季大会@東北大学

東北地理学会の春季大会に参加。
東北地理学会は東日本を中心とした学会で、日本地理学会、人文地理学会、経済地理学会と比べるとひっそりしているけれども、一つの会場でいろいろな分野の発表が聞けるので好き。
気になった発表内容は以下のとおり。

◆鉄道と人口
鉄道路線廃止で地域が衰退するのではなく、衰退してる地域の鉄道が廃止されている。
地下鉄開業するも前から住んでる住民は自動車利用のままで、転入してきた人が地下鉄を利用している。

◆整備新幹線
九州北陸北海道各新幹線開業と地域の対応。
高速道路と対比するとおもしろそう。工業は高速道路(モノの移動)と新幹線(ヒトの移動)で相乗効果なのでは。地元百貨店が苦境なのは高速道路でも新幹線でも変わらず。やはり観光は新幹線開通の時の方が組織的な対応が取れている。

◆人口流出のメカニズム
質疑応答であった「人口流出のメカニズムが解明されていない」という話。高速交通の整備で人口流出が起きると言われるが、その具体的なメカニズム・実情がわからない。逆に、人口が増えると言われるときがあるが、そのメカニズムもわからない。これは大きな研究課題。

◆宿泊数は減っている
三陸道開通で観光客は増えているが、宿泊数は減少との報告。先行研究の認識と一致。

◆災害時の輸送
災害で使える高規格道路と言われるがICから先が機能するのか。という問題提起。

◆医療圏
青森から函館へ通院する事例の紹介。高速道路でも同様に医療圏を越える事例が起きているはず。

◆農業振興と農村振興
農作業効率化で、農業は振興するけど、農村の人は減る。受け皿が地方に立地する工場。人材不足との報告がある。農家が余剰人口を放出しきると、地方の農業も工業も成り立たなくなるのか。
労働人口については自分の思っているより研究が進んでる。

5/25~26 経済地理学会 @名城大学

ジェンダーについての発表や、インターネット回線整備についての発表があった。

6/6 暮らしと地図・測量展

毎年、新宿駅西口イベントスペースで開催される『暮らしと地図・測量展』。
今年も、仕事終わりにちょっとだけ覗いてきました。

6/8 棚田で有名な中島先生講演会

棚田の神様である中島先生の講演会を拝聴。

6/15 旅チケット

「地理」や「旅」をテーマにした同人誌即売会『旅チケット』に行ってきました。
こういうテーマの同人誌って数が少ないし、集まることもないので、見てるだけでも楽しかった。
友人のサークルの出版物と、京大地理研さんの出版物をゲット。

6/16地理空間学会 @筑波大学

「昼と夜」に着目したセッションでした。
確かに、空間的差を求める地理学のなかで、場所の昼と夜の差については、着目する人が少ない視点。
特に、新大久保のコリアンタウンにおける「昼→観光客向け」「夜→同胞向け」という様子の変化は、これまでにない、良い着眼点だなと思いました。

6/22 発表大会

地理の社会人サークルで、自分の研究(といっても趣味程度なのですが)について、発表をしました。
これまでの勉強を発表する機会は初めてだったので、だいぶ緊張。
「様々ある視点の中でどこに焦点をあてるのか」「先行研究の結果の違いは、方法の違いであることを意識すること」「変数の多さ、定量評価の難しさはどう考えるのか」と鋭いご指摘を頂いて、今後の糧となりました。
今回は問題提起・問題意識をメインに話したので、これからは具体的な方法論や着地点を考えなくては。

8/16 ひろがる地図 @東京都現代美術館

「地図」をテーマにした企画展を見てきました →詳しくはコチラ『アートと地理』
ゼンリン(地図会社)さんによるトークイベントも開催されていて、"ゼンリン調査員あるある"が面白かった。

8/23 山納さんの講演会

4月に参加した方南町のミニ巡検は、山納さんの街歩き企画に着想を得た企画でした。
その山納さんのトークイベントに参加。
案内するのではなく、参加者に"街"を"発見させる"という、逆転(?)の発想。
とはいっても、参加者任せなんかではなく、山納さんの頭の中では、地理の巡検で解説するような、街の歴史を発見する手がかりがちゃんと練られていて…さすがです。
実際に歩いて見てまわる中で、街の歴史や経済活動を見つけ出す、これが地理の巡検の醍醐味。

9/15 洛西巡検

京都大学地理学研究会と、早稲田大学地理学研究会の合同巡検に参加。
京大地理研さんの資料の作りこみが素晴らしかった。
自分で一次資料(統計データ・旧版地形図…)を入手して、さらにそれを伝えたいことがわかるように加工して提供する、そんじゃそこらの学生(大人でも)ではできないことです。
見習わないと。

9/16 地図展2019 近代京都150年を俯瞰する

地図好きにはたまらない展示でした!

9/21~22 日本地理学会 @新潟大学 と新潟巡検

新潟大学で開催された日本地理学会に参加。

◆整備新幹線の駅からの発信
新幹線が開通した後「新幹線の利用が低迷」という状況が起きている。
物理的な時間や距離、そして料金の問題もあるけれども、「新幹線を身近に感じられない」「新幹線駅が気持ち的に遠い」という問題があって、新幹線駅を地元住民に身近に感じてもらうための取り組みが発表されていた。
新しい視点。

◆新宿2丁目
新宿2丁目のジェンダー空間について発表を続けている院生の方が、今回も新宿2丁目を事例に発表をしていました。
発表を重ねるごとに、議論が詰まっているのがわかり、毎回楽しみにしています。

◆アンテナショップ
アンテナショップが多様化している。という事例紹介。

新潟巡検では、江戸時代の中心地から、近代の発展、旧新潟駅、そして現在の新潟駅と、近世から現代までの新潟の発展をめぐるコースで、巡検の説明や、企画の仕方がとても参考になりました。

9/29 地図塾 @ぶよお堂

ブラタモリでよく登場する『赤色立体地図』を発明した千葉先生のトークショーでした。
「富士山麓での砂防調査のために、遭難しないように(命がかかっていたから)必死に開発した」というエピソードが面白かった。
一見、単純に見える地図も、色合いや縮尺や、作った人のセンスと技術と知恵が詰まっている。


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上半期は3週間に2回の地理イベント、というとっても充実した期間でした。
下半期は地理イベントが落ち着くので、勉強・研究の方を頑張りたいと思います。

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