2020年5月10日日曜日

【地理プラ】小学校と中学校の謎について #何地図

地理プラについて


私は、『みんなで地理プラーザ!』という地理アカウントの運営(事務局)をしています。

詳しくはコチラへ ⇒ ブログ『みんなで地理プラーザ!』

地理プラーザ!の『なんでもない地図を語る会』という企画で、話題になったことがあったので、こちらでまとめてみたいと思います。


話の概要


さて、『みんなで地理プラーザ!』で、いろいろな地図を見ながら、気づいたことをトークするという『なんでもない地図を語る会』を開催しました。





その『なんでもない地図を語る会』での1枚目の地図がこちらでした。
 

コチラの地図中央の集落に、学校が2つ確認できます。
学校が山の上と下に2つあるんですね。

この2つの学校について、イベントのなかで、
学校は集落から少し離れているのはなぜだろうか。敷地確保の問題?あと2つは小学校中学校だろうなぁ
上が中学校?
集落から離れてるがなぜだろう……
上が中学校っぽい
東側の学校、すぐに浸水しそう。
平地が小学校なきがする
下の学校は合併でできたものですかね
平地があんまりなさそう、無理矢理学校を作っている印象
中学校と小学校が集落から少し離れており、どちらが小学校で、どちらが中学校なのかと言うトークが交わされました。


疑問が生まれる


さて、後日、小学校と中学校の立地に対して、疑問が浮上します。
このような疑問です。
同様の疑問はみなさん感じているようでした。
 
 
 
 

 

このように、それぞれの人が、中学校と小学校の位置、どっちがどっちという疑問を持ち始めました。


小学校・中学校建設の経緯


小学校は新設(統廃合)された学校なのではないかという指摘がありました。


そんな考察のとおり、小学校は2006年まで、別の場所にあったとのことです。


 
2006年に旧小学校は近隣小学校と統合され、現在の場所に新設されたとのこと。

 

 

一方、中学校は1950年に現在の場所に移転をして、1969年に現在の校舎建物が作られたとのこと。

一方中学校は1969年に現在の場所に校舎が建てられています。
小学校より中学校の方が新しいとは一概に言えないですね。


小学校と中学校はこのように立地を変えてきたようです 
 
 


一般的な小学校と中学校の立地について…


さて、一般的な小学校と中学校の立地にも話が広がりました

 
 
 


 
 

まとめ


さて、そもそもの疑問は
集落中心部に近い「文」が小学校で、山裾の「文」が中学校だとみんな言っていたけど(たしかにそうなのだが)その理由が知りたい
だったのですが、おそらく地図を見たときに、
  • 集落に近い方が、通学しやすく、早い段階に設置される小学校
  • 逆に、集落から遠くて、山の上の方が中学校
このように考えて、参加者の誰かがぱっと見の直感で「こっちが小学校で、あっちが中学校」と発信をしたのだと思います。

人によっては
  • 小学校は戦前からの制度で、それが水田をつぶすような場所にあるのはおかしくて、山裾の方が小学校と思われる
と考えた人もいました。



今回の議論の対象となった小学校と中学校は
  • 小学校
    • 2006年に現在の場所に移転(農地を転用)
  • 中学校
    • 1969年に現在の場所に移転
  • 小学校・中学校は、もともと集落のすぐ近くの山裾に立地
という歴史を持つ学校でした。



一般的な小学校と中学校の話として
  • 明治18年までは寺社を活用した学校が多く、集落の中心地に立地する傾向
  • それ以降は、大きな敷地と通学距離が考慮されるようになった
  • もともと集落の外に立地していた学校(例:人口増加による分校)も、郊外化によって宅地などに囲まれ、集落内に取り込まれる場合も考えられる
  • 近年では、学校が統合されることが多く、その場合には集落外の広い敷地に立地するパターンも多いかもしれない
こんな結論が出たのかなと思います。


地図に書いてある≪学校の地図記号≫からこんな考察が始まるなんて…。
「何でもない地図」なんて無いのかもしれないですね。

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