2020年6月21日日曜日

【地理プラ】地理プラーザ!を作ってみた話 ―運営の1人としての所感

2020年4月1日に『みんなで地理プラーザ!』という地理に関するイベントプラットフォームを発足させました。

出発から2カ月経ったので、個人的な所感を語りたいと思います。

※なお、運営の一人の所感であり、地理プラーザ!の公式見解ではありません。


そもそもの気持ち


まずは、地理プラーザ!立ち上げに至る、私の個人的な気持ちから。

もともと、地理が好きで、

地理の社会人サークルに入ったり
  • 社会人サークル「地理の会」
  • 「地図ラーの会」

地理イベントにちょくちょく顔を出したり
  • 日本地図学会の「地図塾」
  • 「地図ナイト」
  • ジオ鹿さんの「都市の観察」
  • 10月うさぎさんの「基準点まちあるき」

していました。

しかし、地理系の社会人サークルだと、若い人がいない…
だいたいの地理系社会人団体だと、40代で若手です。
20代だと心細い。

何かしらの団体が主催する地理イベントは「地図」に関するイベントが多くて、
「地理」「地理学」について語れる機会って意外と少ない…。

若手が主催する地理イベントは、単発モノが多い。
1回逃すと、次の企画があるのか…。
それに個人企画だと、主催者が知り合いじゃないと参加にちょっと勇気がいりますよね。

自分で巡検を企画してみたかったけど、個人で発信して人が集まるのかという不安。
巡検って意外と準備が必要なものです。

で、2019年の夏くらいから、
  • 若手の地理好きで
  • 定期的に
  • 巡検をする
サークルのようなものを作れないかという気持ちが高まってきました。


 
 

そして…、2020年3月に「地理好きで集まって巡検する場が欲しい!作るか!」という気持ちになりました。
 
 



個人的な地理プラーザ!構想から軌道に乗るまで


個人的には

  • 活動は2ヶ月か3ヶ月に1回の巡検
  • ブログ、Twitter、Instagramで広報
  • イベントを告知して来たい人が来ればよし

こんな具合に考えていました。

そこに、ジオ鹿さんに運営に加わっていただいて、
  • zoomを使ったオンライン企画ができそう
という知見を得て、
  • 活動はオンライン企画からオフライン企画まで幅広い形態で
という方針となりました。

さらに、M.小林さん・永太郎さんにも加わっていただいて
  • 活動内容の幅も「地理・地図」趣味的イベントから「地理学」学術的なイベントまで
  • 運営自身が持つ「何地図」などのコンテンツ
と、イベント内容に幅と深みができました。

個人的には、
  • オンライン企画からオフライン企画まで形にとらわれず
  • 内容も、地理・地図趣味から、地理学のちょっと堅い話まで
  • ゆとり世代の地理に興味ある人が気軽に参加・企画できる場
を運営できればと考えています。

私はこだわりが無い人間なので(笑)、4人がそれぞれ「こういうことしてみたい!」と思ったように動いていく中で、『みんなで地理プラーザ!』の形が出来上がっていくのではないかと楽観視しています。


地理プラーザ!を立ち上げてみて


いろいろな人が地理イベントをできる場所に


地理プラーザ!のイベントに携わってみて感じたことは、
  • 地理が好きな人はたくさんアイデアを持っているけど…
  • 地理イベントを運営するのは大変だ…
ということ。

M.小林さん・ジオ鹿さん・永太郎さんにイベントの司会やトークを任せっきりで、表にあまり出ていませんが(ごめんなさい)、裏でイベントの受付やzoomのミーティングルーム管理をしています。
これ、一人だったら絶対に挫折していた(笑)

受付はGoogleフォームを使ったとしても、参加URLを参加者に送る時間は必要。
トーク中にTwitterを稼働させてみたり。
こりゃ、一人でイベント企画なんて無理だったな…
と感じています。

だからこそ、地理プラーザ!がイベント運営のノウハウを蓄積すれば、地理イベントの経験がない人でも、気軽にイベントをできるようになるのでは、と思っています。

日本地図センター、日本地図学会、スリバチ学会がイベントをしていますが、どうしてもトップダウンになりがち。
なんとかボトムアップでイベントを提供できる場所を作りたい。

地理の趣味から、地理学の勉強まで。


地理プラーザ!を検討していた当初は
「ゆる~い内容にしないと人は集まらないよな…」
と思っていました。
楽しければいいだろうと。

けど、世の中には一定数、ちょっと難しい話でも聞くのが楽しいとか、地理学の勉強を社会人になっても続けているとか、議論するのが好きとか、地理学の学術に近い感性を持っている人がいます。

しかし、そうした学術に近い関心を持つ人が活動できる場がほとんど無い。

地理や地図という身近な話題から、地理学というちょっと取っつきにくい話題まで、幅広くイベントをしてもいいんだ、という気づきがありました。
幅広い話題を提供することで、いろいろな分野の人に参加してもらえ、地理プラーザ!自体の魅力が増すはずです。

そんな地理プラーザ!の活動は、いま流行の「地理学のアウトリーチ」にもつながっていくのではと思っています。

「プラットフォーム」という形


これまでの地理に関する愛好団体は、どれも「会員制」という特徴があります。
人と人とのやりとりがメール・電話・手紙が主体の時代では、会員制というのは大きな強みでしたね。
現在、これほどまでにSNSが発達して、ちょっとやり方を変えてみるのもアリなんじゃないかなと。

会員制の組織だと、どうしても
  • 会員の管理という運営の重荷(人が増える一方で減らず、運営の負担となる)
  • 存続自体が目的化する
  • 外から見た時の不透明性(初めてだと参加しずらい)
こんな問題が生じてきます。

地理プラーザ!では、あえて
  • 各企画の内容はテーマプレゼンターに任せる
  • 参加者は誰でもよい、毎回毎回募る。
  • 運営はプラットフォームの管理をメインにして無駄な気遣いはしないようにする
こういうやり方をしています。(まだまだ運営以外のテーマプレゼンターは少ない状況ですが…)
これはTwitterやInstagramを使うゆとり世代には意外といいやり方かも?

純粋に「地理」を楽しめる場って少ないよね


最初の課題意識のところで話しましたが、社会人になってみると、純粋に地理を楽しめる場って少ないのです。

地理プラーザ!は、運営の4人や、地理好きの一般人が「こんなことをしたら楽しい!」と思ったことをそのままイベントにしています。

地理学のアウトリーチの分野では「一般人にいかにわかりやすく地理を教えるか」「どうやって地理に興味を持たせるか」なんていう話が議論されています。
しかし、人がモノゴトに興味を持つきっかけは「楽しそう」という純粋な気持ちからです。

あれこれ深く考えず、楽しいことを提供している『みんなで地理プラーザ!』は、アウトリーチなんていう難しいことは考えていませんが、もしかしたら知らず知らずのうちに、地理の魅力を発信して、地理の世界に人を誘い、いつの間にかアウトリーチをしているのかも?なんて思ったりしています。

いろいろな愛好団体がある多様性


『みんなで地理プラーザ!』以外にも地理に関する愛好団体があります。

そのうちの1つが『地理屋交流会』さんです。『地理屋交流会』さんは『みんなで地理プラーザ!』と同時期に発足しました。もともと地理学を専攻する学生で交流をしていた組織が前身になっています。

また、各大学で地理系サークルが立ち上がっています。

『地理の会』や『野外歴史地理学研究会』という社会人サークルも活動をしています。

地理屋交流会さんは、その出自から学生が多く集まり、活発に活動している印象です。
地理の会さんや野外歴史地理学研究会さんは、ゆとり世代よりも上の世代の方々が集まり、オフラインでの活動を2か月に1回ほど行っています。

けっして、どの団体も入会や参加に年齢制限があるわけではありませんが、
学生が集まりやすい活動、社会人中堅からベテランの方が集まりやすい活動、そして『みんなで地理プラーザ!』は社会人の若手を中心とした世代が集まりやすい形で活動をしているのではないかなと思います。

地理の楽しみは、年齢を問わずです。
しかし、年齢によりそれぞれのライフスタイルや価値観があります。
そんなライフスタイルにあった多様な活動が、それぞれの団体から提供されればいいなと思っています。


最後に


いろいろと書いてきましたが、これはあくまでも私の個人的な感想で、運営の残り3人はそれぞれ別の感想を持っているハズです。
地理プラーザという広場がいつまで続くかわかりませんが…、もし途中で挫折して途切れたとしても、地理プラーザに触れた人が新しい発想で、地理を楽しむ場を作るきっかけとなったらいいなと思っています。
これからも『みんなで地理プラーザ!』をどうぞよろしくお願いいたします。

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