いま、『在野研究ビギナーズ―勝手にはじめる研究生活』という本を読んでいます。
その中で「研究が趣味」というフレーズが出てきました。(p.31~)
「わかる!わかる!」と、とても共感できるフレーズだったので、「地理学が趣味」について書いてみたいと思います。
趣味が地理学というと、だいたいの場合ドン引きされます。
会社でも、SNSでも、なるべく「ブラタモリみたいなまち歩きが趣味」と言うようにしていたのですが、さすがに無理が出てきて、最近は正直に「地理学が趣味」と公言するようにしています。誰も理解してくれませんが、嘘をつくのは精神衛生上よろしくないで、正直に話すようにしています。
マッチングアプリでは「趣味」の欄が必須なので、とても困ります(笑)
この「学問が趣味」という感覚は、なかなか共有できない感情です。
そもそも、「地理」「地図」が好きという人も少なくて世間的に認知度が低いのに、「地理学」が好き、と言う人はなかなかいない。
よく考えると、「地理学」が好きなのに職業として研究をしていないなんて、そうそういないはず。
「地理学」の何が好きなのか、挙げてみると…
- 地理学の理論を学ぶのが好き
- 論文を読んで、綺麗な理論構築を見ると惚れ惚れする
- 気になることは、地理学の視点から、知りたい、調べたい
- 自分で調べたことを美しくまとめたい
- 学会に参加して、先生方が発表している内容を聞いて、それはどうだこうだと考えるのが楽しい
「ジェントリフィケーション」「都心回帰」こんな言葉を聞くともう浮足立ってしまいます。
じゃあ「地理学が趣味」って何をしているのかと言うと…
- 地理学の論文を読む
- 地理学の学会に参加する(発表したことは無い)
- テーマを決めて、先行研究を読んで、考えをまとめる
- できれば、論文(のようなもの)を書いていきたい
- 地理学の理論や論説をアウトリーチしていけるように、地理のイベントだったりに参加
まわりに思われているほど
- 目的もなく歩くような街歩きとかそこまで好きなわけではない。というのも、地理学の理論を現地で確認するために歩くので、何もない状態で歩くのはわりと億劫。建物自体への興味は少ない。
- 地図大好きではない。地図は研究するためのツールなので、地図自体に愛着がわくわけではない。もちろん、美しい地図は手に入れたいけれども。
- 細かい暗記は苦手。探求するのが好きなのです。
- わりと、外に出るより、中で論文読んだり勉強するほうが好き。(と言いつつ、地理学のためなら全国を飛び回ります)
- 「勉強家で勤勉」だと勘違いされるけど、怠惰で、あわよくば手っ取り早く結論だけ学べればと思っていたりする。
この性格って、地理学好きとしてどうなのか…。
自分の中では「地理学」と「地理」と言うのは、あくまでも違う分野で
- 地理学:学術研究の世界 → 趣味(本業、人生の目標)
- 地理・地図・旅行 → 趣味(副業)
- 仕事 → 仕事(地理学のネタになればいいな、あとは生きていくためのカネ)
ちなみに、地理学の中で、好きな分野は
- 都市地理学 → 再開発とかジェントリフィケーションとか大好き
- 流通地理学 → コンビニの流通って勉強してみると奥が深い
- エスニック地理学 → 仲良くしていた女の子が中国人だったので、エスニック地理学に興味がわいた
- 交通地理学 → 現在の研究テーマは「高速道路が地域に与えた影響」「インフラ整備の合意形成過程」なので、これが本命中の本命
ご理解いただけましたでしょうか? おそらく、大多数の人には理解されないでしょう…
自分の人生はどこに向かっているのか…。
この「学問:地理学が好き」感覚を理解してくださる方がいれば、ぜひお話したい(笑)
0 件のコメント:
コメントを投稿