前回に引き続き 沖永良部紀行 その② です。
沖永良部の農業、食、歴史・文化について書いていきたいと思います。
沖永良部島の農業
農業法人が多い鹿児島県の中でも特に農業法人の多い沖永良部島。人口における農業従事者の率も、ダントツの多さ。
農業が盛んなので、他島と比べるとあんまり観光に興味はないように思われる。
- 水が得にくい
- 南西諸島特有の赤土は落ちにくく、作物にくっついてしまう
- 本州へ出荷するのにも輸送費・輸送時間がかかる
畑を開墾したときに出てきた石で作られた 防風の石垣 |
土が"赤い" |
てっぽうゆりの栽培が盛ん。
ユリは開花する前に出荷されるため、 島で満開のユリは見られない 写真はたまたま道端に植えられていたユリ |
ユリが満開の景色を期待すると、開花前に摘み取られて出荷されているのでガッカリするから注意。
菊もユリも電照栽培されている。
最近は赤色の電照栽培が主流になっているようで…不気味。
露地で電照栽培されるユリ |
ハウスで電照栽培されるユリ |
ユリの電照栽培 |
最近は赤色が流行 |
夜中、こんな感じで光っている |
赤色は…精神的によろしくない… |
昼間はこんな感じ |
花卉出荷用のコンテナ |
農協の花卉部門 出荷場 |
◆サトウキビ
サトウキビの栽培も盛ん。
どうやら一年中育つようで、1つの苗から3回刈り取りできるようで、なんとも強い植物である。
サトウキビの刈り取り |
刈り取られたサトウキビ |
島の農業を支えるサトウキビ栽培 |
製糖工場 |
(今回の旅行では工房の営業日と予定が合わず断念…)
◆牛
子牛の育成が行われている。
あちこちに牛小屋があり、旅の前日まで競りが行われていた。
競りは、与論島から沖永良部、徳之島…と順番にまわるらしい。
畜産市場 |
ここで子牛の競りが行われているのかな? |
牛の出荷用のコンテナ これは出荷後に送り返されてきたコンテナ |
◆じゃがいも
数年前までは、北海道でのじゃがいもの不作のため、たくさんじゃがいもが作られていた。
近年、北海道でのじゃがいが豊作のため、沖永良部でのじゃがいも生産は下火。
◆きくらげ
最近はきくらげが流行りらしい。
きくらげのペペロンチーノ |
あとは落花生とかも作られているよう。
沖永良部の歴史と文化
沖永良部の食
郷土料理という話は特に聞かなかったけれども、琉球と薩摩の影響が交錯し、島の食材を活かした食が見られる◆黒糖焼酎
お酒は黒糖焼酎
黒糖焼酎
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◆南国のフルーツ
マンゴー・バナナ・グァバといった "南の方に生えていそうな" イメージの食べ物がたくさん
グァバを凍らせたものを解凍して4等分したもの |
熟していないバナナ |
冷凍しておいたマンゴー |
◆サトウキビ
人生で初めてサトウキビを食べた(しゃぶった)
黒糖もいただきました
固まっていない黒糖 |
◆スパム
沖縄で一般的に食べられているスパムが食卓に並んでいた
◆鳥刺し
鹿児島県には鳥刺し(鶏肉の刺身)文化があるが、沖永良部もご多分に漏れず
スーパーで鳥刺しが売っている。 鹿児島と同じ。 |
◆かまぼこ
かまぼこと言えど、さつま揚げ。
なぜか長細い。
えらぶカマボコ |
カラフルなお魚や、ハリセンボンをいただきました
海の恵み |
お刺身の正体 |
今朝、漁港でスーパーが競り落としたお魚 |
黄色とピンク色のお魚で出汁をとった味噌汁 |
昨晩釣ったハリセンボンでだしを取った味噌汁 |
ハリセンボン |
沖永良部の歴史
◆世の主の墓、世の主の城昔は琉球王朝に支配されていた。
かつての沖永良部の領主の墓と城。
◆西郷隆盛の流刑の地
薩摩藩の支配を受けるようになる。
西郷隆盛が流罪になり閉じ込められていた牢屋の再現
西郷隆盛はこんな牢に閉じ込められていた |
戦後には沖縄と同じく米軍占領期があった。
レーダー基地があったため、返還には難儀したようだ。
腰山展望台にある日本復帰記念碑 |
沖永良部の文化
◆コンクリート造りの家1975年の沖永良部台風で壊滅的被害を受けた後、コンクリートの建物が多く作られた。
同じような年季のコンクリート建物がたくさん見れる。
最近の建物は本州と同じ建物。
◆方言
方言は琉球の言葉(らしい)。
東京生まれ東京育ちの私にはさっぱりわからない方言だった。
◆お墓
小さな家の形をした沖縄式のお墓と、墓石の本州式のお墓がまざっていた。
その家の出自の違いなのかな?
◆高倉
昔は屋根は茅葺きの屋根の建物が一般的だったようだ。
昔は"茅場"があったとのこと。
歴史民俗資料館に保存されている高倉 |
住吉暗川のよこに保存されている高倉 |
◆沖縄のもの
シーサーの置物、沖縄商品の自販機、スパム…などなど沖縄のものが多い
沖縄の飲み物が中心の自販機 さんぴん茶、琉球コーラ、パイン、グァバ、シークワーサー… |
沖縄で見られる「石敢當」 |
シーサーが置いてある家もチラホラ。 |
沖永良部の商業
沖永良部島の各集落に昔ながらの商店が点在している。初めての人にはちょっと入りずらいかも…
集落の商店 |
和泊町、知名町の中心地それぞれに商店街があり、スーパー・書店などの商業施設が立地。
和泊町の商店街 人がいないのは朝10時頃に撮影したから |
中心地の商店街は衰退気味だ…。本州でも島でも商環境の変化は一緒。
いかにもロードサイド |
ロードサイド |
鹿児島のローカルチェーン 「ニシムタ」 |
A-COOPが2つ |
いろいろなスポット
◆二等三角点沖永良部島には一等三角点が2点あるけれども、どちらも見られる場所ではない。
腰山展望台にある二等三角点は道路の真ん中で大切に保存されている。
◆大型有孔虫化石
天然記念物に指定されている |
きっとすごい化石なのだろう… |
◆カフェにて
◆ヤギが歩いている
山羊が放し飼いされていたのはビックリした…
誰ですか、ヤギを放し飼いにしているのは… |
◆最近できたオシャレな料理屋さん
東日本大震災の仮設住宅を活用した料理屋さんとログハウス
最近できたらしい |
国頭小学校の校庭にある日本一のガジュマル |
大山山頂に自衛隊のレーダー基地がある |
自衛隊の関連施設 |
◆火力発電所
島の電力を担う火力発電所 |
まとめ
以上、沖永良部旅行記でした。
沖永良部の島民の人は「こんな島に何をしに来たの…何もないのに…(笑)」と口にしますが、地形と人の暮らし、そして農業と文化が感じられる、穏やかな島です。
みなさんも一度訪れてはいかが?
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