2019年7月21日日曜日

研究テーマを語る③ ストック効果の検証(その2)

前回の記事(→『研究テーマを語る② ストック効果の検証(その1)』)では、高速道路整備のストック効果のうち、
  • 農業
について、解説してきました。
続いて、今回はストック効果のうち、
  • 工業
  • 観光業
  • 卸売・物流
  • 企業の営業活動
  • 土地利用・都市構造の変化
について解説したいと思います。


4-2.分野別ストック効果② 工業

高速道路が支える工業

武田(1978)において、経済学の視点から、
  • 工業製品や部品・原料の輸送においては
    • 時間短縮の便益
    • 高速道路通行料金の費用
  • の2点が比較され、時間短縮の便益が大きい場合に、高速道路が利用されて、工業生産の同期化(JIT方式・トヨタ方式)が起きていると指摘
されています。

この武田(1978)の指摘は経済学的視点(数式による検討)がメインです。

その後の、阿部・柳井の一連の研究で、高速道路沿線に立地した工場の生産活動において、高速道路がどのような役割を担っているのか経済地理学的視点から研究がされました。
阿部(2001;2003;2005)・柳井(1990;1993)の研究においては、
  • 高速道路が輸送に利用されない場合もあるが、
  • 緊急納品などで高速道路が利用され、
  • 高速道路がJIT方式を支えており、
  • 高速道路が工場の立地要因となっている
ことが示され、高速道路の工業における役割が報告されています。

事例研究・統計分析

高速道路整備によって実際に工業立地があったのかという事例研究・統計分析としては、
  • 中国道・中央道沿線自治体で工業立地・出荷が増加したとの報告(児玉1988. 小池他2012. 矢田1991. 北川1980. 宮坂1980. 伊藤1979
    • ※あくまでも沿線単位であることに留意
  • 高速道路の路線単位からさらに踏み込み、市町村単位での分析においては、工場誘致に成功した自治体と、失敗した自治体とで、人口の増減にも影響が出たとの報告(河原2007
路線単位で分析をすると、工業立地・工業出荷額に増加が認められるが、そこから踏み込んで、市町村単位で分析をすると、違う結果が見えてくる可能性があります。


工業立地の要件?

これら事例研究において、高速道路整備による工業立地の条件について以下の点が指摘されています。
  1. 工業団地の有無
  2. 余剰労働力
  3. 安価で広大な敷地
  4. インターチェンジからの距離
  5. 高速道路が接続する大都市
  6. 大都市から2時間圏であること
  7. 新幹線と並行することにより工業立地が促進される可能性(モノを高速で、ヒトを新幹線で)
  8. 高速道路は工場立地の十分条件ではなく、必要条件にすぎない
工業分野は、高速道路研究のなかで、しっかりと理論的側面と事例研究がバランスよく蓄積されてきた分野です。

明らかにすべき課題

高速道路が開通することで、路線単位での沿線では工業出荷額が増加したとの報告がほとんどですが、河原(2007)の報告では、工業団地の整備が必ずしも成功しないこと、工業団地を整備するか否かによって工場立地に差が生まれることが指摘されています。
ネクスコが発行している高速道路の整備効果事例集においても、「工業団地が高速道路開通と前後して100%の稼働となった」から「工業団地の充足率が60%から80%に上がった」まで、工場立地の進み方は様々です。
このような、沿線での地域差はまだ調べられていません。工業団地の充足率に着目した研究をしてみてもいいかもしれません。

また、工場が立地したからといって、絶対に地域が救われるわけではありません。
安定した雇用を求める地方と、低賃金でフレキシブルな稼働を求める工場とのギャップが報告されています。
「高速道路→工場→地域発展」という図式はすでに過去の方程式かもしれません。


製造業・工業 参考文献

武田文夫1978. 高速道路に対する需要の構造変化の分析. 交通学研究. 1978年度研究年報
阿部史郎2003. 工場立地条件としての高速道路の再評価-首都圏周辺地域の事例から. 経済地理学年報49(1):56-71
阿部史郎2005. 自動車部品産業の製品納入における高速道路の利用とJIT. 地理学評論78A(7):474-485
柳井雅也1990. 高速道路が工業立地に与える影響と考察. 岡山大学創立40周年記念地理学論文集編集委員会編『地域と生活II』
柳井雅也1993. 企業空間を支える基礎条件『企業空間とネットワーク』
児玉源義1988. 高速道路網の整備が人流に及ぼす影響. 運輸と経済48(3):12-22
小池淳司・平井健二・佐藤啓輔2012. 高速道路整備による地域の人口及び経済変化に関する事後分析―固定効果モデルによるパネルデータ分析. 土木学会論文集D3 (土木計画学) 68(4):388-399
矢田肇1991. 高速自動車道の開通整備に伴う地域経済効果. 中国地方総合研究センター研究報告
北川建次1980. 中国自動車道と地域の変化. 地理25(12)
宮坂正治1980. 中央高速道と地域の変化. 地理25(12)
伊藤達雄1979. 高速道路とアーバン・システムとの関係. 横山昭一編『交通変革と地方都市機能整備に関する研究』(昭和52・53年度文部省科学研究費総合研究(A)研究成果報告書). 愛媛大学法文学部地理学教室
河原悠太2007. 高速道路の開通が沿線地域に及ぼす影響―中国地方北西部を事例に. 島根地理学会誌41:17-28



4-3.分野別ストック効果③ 観光業

観光客増加を期待するレポート

地方銀行シンクタンクの報告レポートなどで、地方部の高速道路開通による観光客増加を期待する声が見受けられます。
  • 高速道路開通により新たな観光周遊ルートが期待されると予測(児玉1988)
  • 紀伊半島の高速道路開通による観光客の集客圏の広域化の報告(安岡他2013)
  • 道東道開通による観光行動圏拡大の予想(岸2011)
  • 離れた観光地の連結による新たな周遊ルートの創設による観光客誘致の予想(佐藤2014)

統計的に分析すると?

それでは、統計的に分析をすると、高速道路開通による観光客増加は見られるのでしょうか?
  • 日本国内の観光地の入込客数と高速道路との相関関係を統計的に分析
    • 高速道路のインターチェンジの密度と観光客数に相関関係あり → 高速道路が整備されておりアクセス利便性の高い観光地は観光客が多い傾向(中村ほか2006)
  • 高速道路開通と観光客数増加には相関関係が見られないとの分析結果
    • 開通すれば無条件に観光客が増えることは無く、観光地の魅力を向上させる取り組みを行うことで観光客が増える(早川2009)
  • ただし、観光客数が増加した場合でも、宿泊者数が増加するとは限らない、宿泊客数は減少するとの指摘(中村ほか2006,早川2009)
このように、高速道路の密度(アクセス性)と観光客数は相関がみられるものの、「開通=観光客増加」とはならないことがわかり、宿泊客数は減少することがわかります。

観光客が増えた事例

統計的な分析はさておき、高速道路開通を契機として、観光客が増加したとの報告は多数見られます。
  • 群馬県片品村のスキー場の客数増加の要因として高速道路開通を指摘(呉羽1991)
  • 愛媛県宇和島地域での高速道路延伸による観光客数増加(いよぎん地域経済研究センター2012)

観光客が増えなかった事例、梯子を外された観光地では?

高速道路の開通効果の恩恵を受けない観光地も多数あるようです。
  • 山陰道開通による観光客数増加がみられたが、高速道路開通の数年後からは観光客数増加が頭打ちになっている事例(河原2007)
  • 高速道路開通による観光客増加を当て込んで建設されたスキー場が客数低迷により閉鎖された事例(河原2007)
  • 新たに開通した高速道路により迂回された地域では観光客数が減少している(いよぎん地域経済研究センター2012)
それまでのルートが、高速道路によって迂回されることにより、観光客が減少し、ひいてはその地域の商業基盤が失われることを危惧する報告もあります。

小括

以上の先行研究をまとめると、これまでに指摘されてきた事項は以下の点です。
  1. 高速道路の開通により、周遊ルートの新設が予想され、観光客の増加が予想されている。
  2. 実際に、観光地での高速道路の開通による観光客数増加が確認される場合もある。
  3. しかし、観光客数が増加した場合でも、数年で客数が頭打ちになったり、客数が減少してしまう事例がある。また、宿泊客数は増えない
  4. 高速道路による観光ルートから外れた観光地では観光客数の減少が起きる。
  5. 統計的な分析では、高速道路開通と観光客数増加とは相関関係は無いが、高速道路というアクセス条件は観光客誘致の必要条件となっている。

参考文献

児玉源義1988. 高速道路網の整備が人流に及ぼす影響. 運輸と経済48(3):12-22
安岡優・川北晃二2013. 特集 高速道路で結ばれる紀伊半島の新しいネットワーク-地域産業への影響を探る-. HRI report 149:4-13
岸邦弘2011. 道東自動車道が北海道の交通ネットワークにおいて果たす役割. 運輸と経済 71(9):34-
佐藤俊雄2014. 中国横断道の整備による地域連携効果. 季刊中国総研 18(4):37-
中村研二・奥直子2006. 観光資源・交通アクセスと観光地入込客数・宿泊数等の関係. PRレビュー18(1)
早川伸二・後藤孝夫2009. 交通アクセスの改善が観光地の入り込み客数に与える影響. 交通学研究. 2009年度研究年報
呉羽正昭1991. 群馬県片品村におけるスキー観光地域の形成. 地理学評論64A(12):818-838
いよぎん地域経済研究センター編2012. 高速道路宇和島延伸で賑わう宇和島圏域の観光施設―四国横断道西予宇和IC-宇和島北IC間開通の影響―. IRC調査月報 289:10-13
河原悠太2007. 高速道路の開通が沿線地域に及ぼす影響―中国地方北西部を事例に. 島根地理学会誌41:17-28

4-4.分野別ストック効果④ 小売業

高速交通の整備で上位都市へ

小売業への高速道路の影響を見てみましょう。
第一に言えるのは、高速交通が整備されることで、より上位の都市へ商業機能・消費者が吸収されるとの報告です。
  • 国道改良による時間距離短縮により、商業機能が上位都市に吸収された(横山1979)
  • 高級衣料品の購入のために、三条市などから新潟市へ高速道路を利用して出向く事象が見られた(奥野1983)
  • 八代市では、日用品・日用衣料品の商圏が拡大したものの、高級衣料品は消費者が高速道路を利用して熊本市・福岡市まで出かけることが多くなった(宇野1984)
  • 高速道路開通により、遠方の大都市への買い出し行動が増加した(河原2007)
これはいわゆる「ストロー効果」です。

中央資本vs地元商店街

上位都市への消費者の流出(吸収)に加えて、中央資本の小売店が地方へ出店する契機となり、地元商店街が厳しい商環境におかれる場合が報告されています。
  • 高速道路開通により、中央資本であるダイエーが進出をして、地元の商店の売り上げが減少(宮坂1980)
  • 津山市・三次市において、中国道開通により売上額は増加しているものの、どちらも中央資本のスーパーや百貨店の進出が見られ、競争が激化(易田1984)

ショッピングセンターの立地

また、高速道路インターチェンジ付近に大型ショッピングセンターが開業し、小売業の環境が一変することも報告されています。
  • 高速道路沿線に出店した大型ショッピングセンターにより、当該ショッピングセンターが立地した市町村の小売売上額が急増(河原2007)

統計分析

  • 中国地方において、小売売上額と高速道路とに多くの地域で相関がみられるというが、高速道路沿線での空間的傾向は見られない(小池ほか2012)

小括

  1. 日用品は上位都市、買回り品はさらに上位都市、というように、消費者の購買行動は広域化し、商圏が変化しており、流通構造の変化と相まって地域商店街の衰退を助長している可能性がある
  2. 中央資本のスーパー・百貨店・ショッピングセンターが地方へ進出する契機となり、進出した場合には地元商店街・地元資本との競争が生じる(「逆流現象」)
  3. ショッピングセンター・アウトレットモールについては、その進出によりそれまで商業基盤のなかった地域で広域集客が起こる可能性があり、その立地には高速道路の存在が条件となっている可能性が大きい
小売業については、中心市街地の衰退は全国的な傾向であり、高速道路の影響だけを取り出すのは、ほぼ不可能で、上位都市への吸収/郊外店への吸収、といった、都市間/都市内の二面性があり、とても複雑な因果関係になっています。
あまり、触れたくない領域…。

参考文献

横山昭一1979. 国道改築の地域へのインパクト. 横山昭一編『交通変革と地方都市機能整備に関する研究』(昭和52・53年度文部省科学研究費総合研究(A)研究成果報告書). 愛媛大学法文学部地理学教室
奥野隆史1983. 新潟地域における交通イノベーションと地域経済の変化. 筑波大学人文地理学研究Ⅶ:133-155
宇野史郎1984. 高速道路と都市機能―商圏再編を中心に―. 都市問題75(7)
河原悠太2007. 高速道路の開通が沿線地域に及ぼす影響―中国地方北西部を事例に. 島根地理学会誌41:17-28
宮坂正治1980. 中央高速道と地域の変化. 地理25(12)
易田勝1984. 交通体系の整備と都市機能―商業流通の面から―. 都市問題75(7)
小池淳司・平井健二・佐藤啓輔2012. 高速道路整備による地域の人口及び経済変化に関する事後分析―固定効果モデルによるパネルデータ分析. 土木学会論文集D3 (土木計画学) 68(4):388-399




4-5.分野別ストック効果⑤ 卸売業・物流施設

高速道路による立地創造

  • 卸売業において、関越自動車道整備により、新潟県では新潟市のウエイトが増した(奥野1983)
  • 2000年代の首都圏における物流施設の立地動向を分析すると、圏央道開通により、圏央道沿線に物流施設が立地してる(峰岸2017)
  • 瀬戸大橋開通に合わせて岡山県総合物流センターが開設され、そこに入居した物流事業者は、営業の拡大により他事業所から分割した例、中・四国地域の営業所を統合して入居した例などが見られる(川久保1996)
    • 瀬戸大橋開通により、物流・卸売事業者の拠点が変化したことを示す研究であり、高速道路の結節点という立地のメリットが物流施設・事業所の再編・立地につながった例である

小括

  • 物流施設・卸売施設は高速道路による交通利便性の高い場所に立地する傾向が見られる(高速道路整備と強い関係性が認められる)
これまでただの農村だったような場所でも、高速道路によって「物流」という新たな立地の可能性が生まれたわけです。

参考文献

奥野隆史1983. 新潟地域における交通イノベーションと地域経済の変化. 筑波大学人文地理学研究Ⅶ:133-155
峯岸直輝2017. 交通インフラ整備の地域経済への影響―関東地方の鉄道・高速道路網整備に伴う社会・産業構造の変化. 信金中金月報16(11):17-42
川久保篤志1996. 瀬戸大橋開通と中四国地方における物流拠点の再編―岡山県総合流通センターを事例に―. 新地理44 (2):17-28


4-6.分野別ストック効果⑥ 企業の営業活動、企業立地

地方分散を促進させるのか?

高速道路によって、地方から東京へのアクセスがよくなることで、企業が地方に立地するようになるという期待がありますが、それに対する論評があります
  • 経済学の視点からみると、輸送費用・情報生産コスト・物理的距離を考えると、高速道路整備という交通革新は、東京一極集中を加速させ、地方へのオフィスの分散は起こりえない(須田1993)

企業組織は高速道路で変わるのか?

高速道路の開通によって、企業活動はどのように変化するのでしょうか。
聞き取りやアンケートによって調査をした研究事例があります。
  • 瀬戸大橋の開通前後を対象に、高松市の支店活動の、営業範囲・業務内容・下位機関・仕入先についてアンケートを実施(今井2000)
    • 瀬戸大橋の開通を理由として支店活動の変化が生じたとする支店は少数
    • 営業活動の変化に伴い、瀬戸大橋を利用した移動ルートがあることから、高松に支店を新規開設した例、岡山の支店に統合した事例が挙げられた
  • 東名高速道路沿線の静岡県の都市においては、事業所が上位都市に集中する傾向が見られた(伊藤1979)
  • 道央道が開通した後の滝川市を対象として、営業活動を行う事業所にアンケートを実施(寺谷1993)
    • 高速道路のメリットを感じる事業所は多くある
    • 一方で高速道路を実際に利用する事業所は多くなく、高速道路開通による事業所の変化も無い

小括

研究の時期や対象地域が多様であり、数が多いとも言えない状況なので、安易に高速道路が与えた影響をまとめにくいですが、
  1. 経済原理から事業所が地方へ分散することは考えづらく、事業所の立地を見ると、上位都市に吸収されていく傾向にある
  2. 高速道路開通が即座に事業所の活動に影響を与えることは無く、高速道路の利用が増大することも少ない
  3. 企業が事業の事業所の統廃合を行う際に、高速道路によるアクセス性が立地・統廃合の条件となる場合がある
こんなところでしょうか。

参考文献

須田昌弥1993. 交通条件改善はオフィス立地分散に有効か. 交通学研究. 1993年度研究年報
今井英文2000. 高松市における支店の業務活動とその変化―高速交通体系の整備との関係に注目して. 新地理48(2):24-36
伊藤達雄1979. 高速道路とアーバン・システムとの関係. 横山昭一編『交通変革と地方都市機能整備に関する研究』(昭和52・53年度文部省科学研究費総合研究(A)研究成果報告書). 愛媛大学法文学部地理学教室
寺谷亮司1993. 高速自動車道開通の地方都市における卸売業事業所活動の実態分析―北海道滝川市の市外企業支店と市内企業の比較を中心に―. 愛媛大学教養部紀要26


4-7.分野別ストック効果⑦ 土地利用の変化・都市構造の変化・人口移動

個別の都市の構造を扱う研究としては、
  • 前橋・高崎を対象にしたオフィス立地の研究(菊池2005)
    • 金融機関などは依然として駅前に立地
    • 一方で営業を行う事業所については、IC周辺や国道バイパス周辺という、自動車交通の利便性の良い場所に移動をした
  • 中央道の各インターチェンジ周辺を対象に土地利用の変化を調査した研究(亀山1998)
    • 適切な開発の規制や誘導が必要だと説いている
  • 甲府盆地の土地利用の変化を分析した研究(李・水谷2007)
    • インターチェンジ周辺において農地が宅地・工場に変化しているとの分析
こういった研究がされています。
高速道路整備が都市構造に与えた影響に関する研究は数が少なく、これらは貴重な指摘です。

また、近年では、東京湾アクアラインが開通したことにより、木更津地域が東京通勤圏に加わり、人口増加しています。
そういった都市の変化も見逃せない現象です。

鉄道によって、古い城下町の都市構造が変化して…と言う話はよく聞きますが、それと同様に高速道路は地方都市の都市構造をどう変化させたのか。
直感的に「ロードサイド店がインターチェンジにできて、郊外化が進む…」と感じますが、それが理論立って説明はされていません。

また、高速道路ではなく新幹線を論じた際の議論ですが、
「新幹線ができれば人口が増える」
という一種の神話が、本当にそうなのか(人口が吸い取られている地域も多い)、明らかにされていないよね、という話を聞きました。
おそらく、高速道路も同様かなと思った次第です。


参考文献

菊池慶之2005. 前橋・高崎地域におけるオフィス立地の変容-交通環境の変化が与える影響. 経済地理学年報51(2):162-177
亀山章 1988. 高速道路インターチェンジ周辺の土地利用の変遷. 信州大学農学部紀要 第25巻第2号:85-100
李虎相・水谷千亜紀2007. 甲府盆地における高速道路建設にともなう土地利用と地域構造の変容. 地域研究年報29:11-20

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以上でストック効果を概観してきました。
次回は、高速道路研究の4つの視点のうち
  • フロー効果
  • 合意形成過程
  • その他の視点
について解説したいと思います。


なお、ブログに記載の内容は全て、学術研究の一環として、個人的に課題意識をもって勉強してきた内容で、特定の機関の意見等ではございませんので、誤解のないようにお願いいたします。
本記事の内容を使用する際にはご一報ください。
(令和元年12月1日)

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